レトロスペクト・アメリカ


Vol. 39 ウェディング・フォトグラファー:脱落編」 の巻


大学も 無事に卒業し、全てが 順調に 行っていたかと 思われましたが。。。 
やはり ワタシの 人生、そんなに 甘くは無かった(涙)。

ビザが 中々 取れないのです。

最初から、カメラマンで 就労ビザを取るのは 難しいと 分っていたので、ワタシは ボスに 「 ピッツバーグの、移民専門の 弁護士を 頼もう 」 と 言っていたのですが、彼女は ローカルな 『 家族移民 』 専門の ギリシャ系の 女性弁護士を 雇う事に。

これ、理由は 「 費用が 安いから 」 だと ワタシは 踏んでいる (爆)。

大体ですな。
『 家族移民 』 なんてのは、弁護士が 居なくても 書類さえ揃えれば ビザが もらえる訳ですわ。

ワタシが 大学を 卒業したのが、97年の 4月。
夏の間は 結婚式やら、なんやらで 大変 忙しい スタジオ生活。

その 夏の事で有ります。
余りにも 事が 運ばないので、弁護士 事務所を 訪れたところ。。。

「 ね、結婚したら? その方が 早く ビザ取れるわよ。」 なんて 言うでは有りませんか。。。

いや、参った。
結婚するなら、アンタは 必要 無いだろぉーーー?

大体、その時点で ワタシと ボスの息子である A は 何度も 別れたり ヨリを戻したりと ヨーヨー状態。 
そんな、結婚なんて 出来ないだろ???

でも、やっぱり アメリカに 居たかった ワタシは Aに 相談を持ちかけ、2年の間 グリーンカードが 取れるまで 結婚してくれるよう 頼んでみる。

実際、その時点では まだ ワタシは Aの事が 好きだったので 「 2年の間に 彼も 人間が変わって ワタシの事を 愛してくれる様に なる 」 なんて ノンキな事を 考えていたのも 事実。 要するに、ワタシの 精神生活も、アメリカ移民も、全て Aに かかってしまった訳です。

ワタシとしては、この時点では 「 偽装結婚 」 な 訳だから ヒッソリと コート・ハウスで 式をして 2年の間に Aの 気が変わったら 結婚式をすれば 良いと 考えていたのですが。。。なぜか Aの 母である ボスが イキナリ 盛り上がり出し、色んな人に 「 Piggyはね、ウチの 息子と 結婚するのよ!」 と 話しまくるわ、結婚式の 手配も 始めるわで、大変な事に。。。(汗)

そして、式も ( ← やっぱり、やるんじゃん (爆) ) 迫ってきた 一週間前のこと。
夜中に Aから 電話が有りました。

彼は、この時 ワシントン州に 住んでいたのだけど、この式の為と、もう 1つ 別の用事の為に オハイオに 帰って来る 筈だったのです。

電話口で Aが言った 言葉は 「 やっぱり、ボク できないから 帰らない。」

なんですとーーーっっ???
って事は、結婚式も ワタシのビザも、全部 オジャンって 事ですか?

しかも、ボスの 過剰な 盛り上がり方を 見て 「 もしかして、Aって 本当は ワタシの事 まだ 好きなのかしら?」 なんて 勘違いしてた ワタシ。 ボスの 盛り上がりに、実は 密かに 便乗していて、内心 この 結婚式を トテモ 楽しみにしていた。。。

Aからの 電話を切った後、ボスにも 電話をしたのだけど 「 うん、知ってる 」 の 一言。
翌日は、仕事に行く 気力も無く、ワタシは アパートで 1人で 泣きまくる事に。。。

でも、落ち込んでいるだけでは 後始末は 出来ないのだ。

式に 招待した人達 ミンナに 「 キャンセルですーーー!」 と 連絡を 入れるのも ワタシ。
ボスが 町中に 「 結婚するのよー 」 と 言いまくった為、仕事で 外へ出ても 「 あれ、式は どうだった?」 なんて 言われ 「 あれね、キャンセルに なったの 」 と 言い訳をする ワタシ。

準備やなんかで、色んな 知人に 手伝ってもらう事に なっていたので、その人達にも スゴク 迷惑をかけてしまった (汗)。

ま、仕方が 無いわねーーー ( ← なんて、今なら 言えるが、この時は ゾンビだった ワタシ)。

この、ボスの 仕事オファーに 頼りきっていた ワタシの 自業自得である。
ボスも 絶対 「 仕事で ビザが取れなくても、どうせ スグに 息子と 結婚するから 大丈夫だわ 」 なんて 軽く 考えていただろうし。

結婚が チャラになり、現職で ビザが 取れないとなると。。。
これは、もう 新しい仕事を 探すしか 他に 手はないのだ。

なので、現地の 日系 求人広告を見て、手当り次第に 電話をした ワタシですが。。。

返って来る 言葉は 「 経済専攻とかなら、どこでも 雇ってもらえるんだけど、アートじゃねぇ。。。 一度 日本に 帰った方が 良いんじゃない?」

日本に 帰りたくないから、こうして 必死で 仕事を探してるんじゃないかーーーっっ

かなり 長い間 日本を 離れていたので、日本の生活と言うのに 「 恐怖 」 を 覚えていたのかも知れない。 
就職 出来ずに、結婚も 出来ずに 帰って来た 「 負け犬 」 の レッテルを 貼られるのが イヤだったのかも知れない。

とにかく、その時は 「 絶対に 日本には 帰れない 」 と 思っていた ワタシである。

そんなこんなで、結局は ウェディング ・ フォトグラファーにも なり損ねてしまった ワタシの 運命は。。。?



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