レトロスペクト・アメリカ


Vol. 35 引越し、其の三」 の巻


何とものんびりした夏休みも終り、ワタシは卒業へ向けて本業である学問の最後の詰めに入ります。この学期、夏休みを「空白」にした埋め合わせをするために追い上げをかけ、7クラスを取っていた聖穂さん、結構グロッキー入ってます(笑)。7クラスって言うのはそりゃぁもう大変なんですよ。普通の人は大体5クラスしか取りませんから(と言っても、別に自慢にもなりゃぁしないよねぇ。自分のサボりの尻拭いなんだから)。

しかし、この学期は特に「やられたっ」って感じでした。何と言っても大変だったのがJournalistic Writingなる、報道系の記事書きクラスです。こいつはねぇ、書くだけならまだ何とかなるんですが、人生それほど甘くない…と。学期が終わるまでに何でも良いから記事を2つ書いて出版しなければならなかったのです。『出版』よッッ。何てこった…

一つはちょっとズルをして、学校新聞に載せて頂きました。出版ですから、要するに印刷物になれば良いと。もう一つは結構力を入れまして、ユダヤ人経営の精肉店について取材をし、自分で撮った写真と共に "In Pittburgh" なるフリーペーパーに持ちこみをし、何千部も発行して頂いた上に、何と原稿料$100ももらってしまいました(笑)。

さてさて、学校はともかく引越しが本題でした。今回の引越しはズバリ就職の為。夏休みの間に、以前登場したAの母であるDと色々話をした結果、彼女が私をカメラマンとして雇ってくれると言う話になったからです。

私にとっての新天地はピッツバーグから車で2時間弱走った所に有るオハイオ州はW-Townと言う小さな町です。一応郡庁ですから、その地域の中心では有るのですが、まぁ言ってみればM-Townと似たようなもんですね。私も学校やバイトで忙しいとあって、アパート探しはDが率先して行動して下さり、私は殆ど何もしなかったというあんばい。11月にはアパートを見に行き、12月には引越しをノンビリ始められるように既に借りておりました。

このアパート、「アパート」とは名ばかりの、言ってみれば大きな家の一角。それにしても良く考えると、私ってアレゲニー・センター以外はいわゆるアパートには住んだ事が無いですねぇ。2軒目は一軒家の2階/3階だったし、3軒目は一軒家の屋根裏だったし…しかし、このアパートは只者では有りません。何と言っても、まず立地が凄い。ダウンタウンのど真ん中、シティー・ホール(市役所)と図書館の真ん前です。しかもこの一軒家自体がアプトン・ハウスと呼ばれ、歴史の浅いアメリカとしては、日本の『重文』にも当たるであろう古く歴史のある家だったのです。

さらに凄いのが家賃。1ヶ月250ドルですよ。ま、今迄ルームメイトと共に暮らし、200ドル強しか支払っていなかった私には少し痛いですが、何と言っても広さが違いますから。自分だけの玄関もあるし(笑)。間取りは玄関兼ダイニング・エリア、2台車が入る車庫の真上に有るかなりの大きさのベッドルーム兼リビングルーム、半地下の物置エリアと地下の一番奥にあるバスルームと言ったラインアップ。かなりのものでしょ?

私は生まれてこの方引越会社のトラックを使って引越をした事が無く、今回も勿論小分けにノンビリ引越です。ベッドやソファなどの大きな家具は友人やミードビルの家族に手伝ってもらって運びましたが、服やその他はスバル君にて運搬。服なんかは殆どハンガーにかかってますから(不精なのでTシャツまでハンガーにかけていた私)、ハンガーにかかったまま運搬です。何往復したんだろう? この時点で既にスバル君の走行許容範囲を超えていた様な気もするけど(笑)。

最終的には暮れも押し迫る12月31日に3往復してワタシの引越は終了です。はぁ〜、何て慌しいんだ。

とりあえず新居にも落ち着き、結構広くて殺風景な部屋を埋めるため、ワタシは家具や調度品集めに走ります。大部分はDや彼女の親友のSからの借り物や、ピッツバーグの友人からの頂きモノばかり。後は広い床を埋め、快適にする為のラグです。ベッドルーム兼リビングルームは最高に味と深みのあるフローリングでしたので。

さて、かねてから「ぜひ猫を飼いたい」と思っていたワタシ。以前の3つのアパートではペット禁止でしたので(金魚は除く。ハハハ。)「今回は絶対に飼うぞぉ」と心に決めておりました。そんなわけで、Dさんは大屋さんに掛合い。まだ飼っていもしないのに「カワイイ猫ちゃん飼ってるのよねぇ。」 と言う事でSさんのお友達の家からワタシの元に当時3歳位であったPoohがやって来たのです。

Poohの名前の由来: 彼にはもう既に名前が有ったのですが、やっぱり自分で飼うペットには名前をつけたいじゃぁ有りませんか。Poohの以前の名前はウェブスター。それをどう聞き間違えたかワタシは「ウィンストンだったらWinnie The Poohじゃん」とPoohに命名(笑)。 何だかトッテモ勘違い。

とりあえず何とか始まったPoohとの2人暮らし。これからどうなる事やら… とりあえず彼にとっては走り回るスペースも十分にあり、屋根の上をリスが走るし日向ぼっこは出来るし、申し分は無いと(笑)。

ワタシはこのスペースをどれだけ活用出来るかですよねぇ。



空白の夏休み(フロリダ旅行)レトロスペクト・アメリカ トップニューメキシコへの旅