レトロスペクト・アメリカ


Vol. 34 空白の夏休み(フロリダ旅行)」 の巻


空白の夏休みに実施された我々「腐れ縁コンビ」の旅行第二弾は、名付けて『スバル君で行く、ピッツバーグ⇔フロリダ:キーウェスト6日間の旅』です。

8月も3分の1程過ぎた頃、前回の「NYへの旅」に参加出来なかったMを仲間に加えたNとワタシは、旅立つ朝もテニスに行くのを忘れずに(笑)、その後スーパーで食料品の買い出しをし、クーラーボックスやテントに毛布、その他色々必要な物品を、すっかり元気になっていたスバル君の後部トランクに押し込み、M君をピックアップ後南を目指して走り出しました。既に日は高く昇っていたので初日の目的地はジョージア州辺りです。

ピッツバーグを出た後インターステート(州際幹線道路)79号に乗り、ひたすら南を目指します。途中ペンシルベニア州を出てすぐのウェスト・バージニア州に入った所で工事渋滞に巻き込まれます。その工事現場でハプニングに遭遇。工事は切り立った崖の様な所にある道路の上の方で行われていたのですが、そこでブルドーザーが落とした岩がデカかった...アクション映画みたいですよぉ。私の運転するスバル君の前に居た車の目の前を転がり落ちたのです!!しかもその大きさ直径約2メートル程...間一髪でしょう。あと少しスピードが出てたら、前の車はペッシャンコでした。はぁ〜ぁ良かった。

気を取り直して再度出発した我々はノース・キャロライナ州のとある都市に差し掛かります。アメリカのインターステートは、北東部の制限速度の方が一般的に遅く、当時のペンシルベニア州やニューヨーク州などは55マイル(約90km)でしたが、南部・西部に向かうにつれてその制限速度が上がって行き、キャロライナはジョージアに入る頃には大体郊外のインターステート上では75マイル(約120km)が平均です。そのペースでスバル君を飛ばしていた私達、都市部に差し掛かり制限速度が55マイルに下がったのも忘れ、クーラーが無いが為に窓を全開にしてステレオを大音量でかけていた我々が路肩に隠れていたハイウェイ・パトロールに気付いたのは、制限速度を遥かにオーバーしたままパトカーを通り越した後でした...

路肩にスバル君を停車させられ、免許証などのチェックをされた後、ただひたすら謝り続けた私を「警告」だけで見逃してくれたハイウェイ・パトロールさん、「州外だからね」と言ってくれましたが、彼がパトカーに乗りこみ走り去った後「女でヨカッタよねぇ」とNさんと2人胸を撫で下ろしたのが本当の所(笑)。

辺りも暗くなり、中々見付からないインターステート沿いのレストランを探し、やっと食事にありついた我々は、その晩はジョージア州内のインターステート上のサービスエリアで宿泊です。真夏ですから寒さの心配も勿論無く、心配なのは周りに泊っている陽気な黒人さんファミリー数組の騒ぎ声で眠れない事位でしょうか。

翌朝早朝に目覚めた我々はサービスエリアのトイレで身支度を整え、一路フロリダに向かいます…フロリダと言っても結構広い…というか、フロリダは長いのです。フロリダ州に突入し、走りつづける事数時間、この日の宿泊地セント・オーガスティン・ビーチにたどり着きます。ここには石川県の「千里浜なぎさドライブウェー」にも匹敵する(と言うか数倍長い)車で走れるビーチがあります。我々3人はここに有るキャンプ場に2泊し、その間綺麗なビーチとセント・オーガスティンの古い町並みや博物館などを堪能し、再び車中の旅に出ます。ちなみにセント・オーガスティンはディズニー・ワールドで有名なオランドー(決してオーランドではありません)の近くに位置する、全米で最も古い街の内の一つです。

セント・オーガスティンを出発した我々が向かったのはフロリダ半島最先端のマイアミです。マイアミでは『26−卒業旅行其の二』でも書いたヴィツカヤと言う、かつての大富豪の家を博物館にしたと言うモノを見に行きました。

さて、ヴィツカヤ観光を終えた我々が向かうのはフロリダ半島を抜け、大陸から一歩踏み出したフロリダ・キーズです。ここの説明も以前書いているので、その辺は省略しておきませう。

我々のキーズでの本拠地はロング・キーと言う島です。セント・オーガスティン・ビーチと同様、ここでもキャンプです。ここのキャンプ場はビーチが目の前で昼間は最高なのですが、夜はヒドイ…ご飯を作っていてもタバコを吸っていても、何百という蚊よりも小さな虫(蚋?)にそこかしこから攻撃されるのです。これがまたカユイんだ!! はぁ〜。 NとMはそれでも粘って外で煙草を吸っておりましたが(何といってもテントの中は強烈に暑い)、ワタシは早々とテントに退散し、テントの中に居る小さな虫と戦っていたのでした。

キーまで来たからにはやっぱりキー・ウェストと言う事で、Nとワタシはスノーケリングへ、Mは街中散策へ。彼が何処を歩き回っていたのかは我々の知る由も有りませんが、スノーケリングをしていたワタシはサメと遭遇しますっっ!!

Nと共に水中(水上?)散策を楽しんでいたワタシ。青や黄色のお魚を追いかけ、波に流されてサンゴ礁にぶつかりながらも楽しんでいたその横に一つの陰が現れます。「他のメンバーが現れたのかなぁ」などと呑気に振り向いたワタシの目の前を、目の横にちゃんと3本スジの入ったデッカイ「サメ」がユウユウと泳いで行ったのでした…ビックリしたどころじゃぁないでしょう!? しばし呆然としていたワタシ、とりあえず「他の魚も動揺してないし、満腹なんでしょ」等と一人で勝手に納得し、そこで慌ててNに「ねぇねぇっサメだよぉ!!」と訳のわからない連絡をし、恐怖の「サメ遭遇」も無事に幕を閉じたのでした(笑)。

ロング・キーのキャンプ場で3泊過し、とうとうパラダイスとも別れを告げなければならない朝、ワタシはとっても大変なことに気づきます。「ハッ彼(A)が帰って来るんだった…」遠距離恋愛してた彼が二日後の夕方には帰ってくるのでした(笑)。大変タイヘン。慌てふためいた我々はフロリダ・キーズに急いでお別れを告げ、ピッツバーグを目指し一路北へ。途中ワシントンD.C.で大渋滞につかまったりしながら、24時間休まず走りつづけたのでした…



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