レトロスペクト・アメリカ


Vol. 33 空白の夏休み(NY旅行)」 の巻


前回登場した「空白の夏休み」ですが、この間に以前もアメリカに遊びに来てくれたNが再び私を訪ねてはるばるアメリカまでやって来てくれました。良ぉ〜く考えると、彼女はアメリカまで私を(家族・親族以外で)訪ねて来てくれた、唯一の日本の友達です。今回の滞在は何と2ヶ月程。当時の私のルームメイトであるRが日本へ里帰りするのを機に、代わりに家賃を払うと言う条件での長期ステイです。

しかぁ〜し、彼女がアメリカ入国する迄に、私の夏休みは既に2ヶ月間もあった訳です。その間私は前回も述べた様にバイトも大して入っておらず、友達を誘いテニスや水泳、バスケなどのチープなスポーツに明け暮れていたのでした。

Nの入国後、例のアトランタ・オリンピックが開幕しました。開会式の日、ショッピング・モールでウィンドウ・ショッピングをしていた私達2人は、東京商店のお客さんである日本人のお友達に遭遇。そこで「早く帰らないと開会式始まっちゃうよ」と言われた我々は急いで帰宅したのですが、テレビの前に座って待てど暮せど始まらない開会式。挙げ句待つのにも飽きて、始まった頃には完全に興味を失っていた我々です(笑)。

さて、唐突ですが、この休みの2大イベントの一つ、『NYへの旅』が始まります。この旅には私とNの他に、東京商店で共にバイトをしていたMが参加する筈だったのですが、どうも都合が悪くて不参加。従って我々「腐れ縁コンビ」は一路東へ車を飛ばします。目指すはビッグ・アップルN.Y.C.です。NYまではピッツバーグから車で(飛ばせば)約6時間半で着きます。この時は我々は夜にピッツバーグを出発し、早朝にNYCに到着。しかし、やはりタダでは転ばぬドタバタ旅行...私の$100で購入したスバル君が体調に支障を来しました。出発時には何の不良も無かったのになぁ。早朝ニュージャージー州はエリザベス市に入り、マクドナルドで休憩をしたのですが、店から出てきた私達を待ち受けていたのはエンジンのかからない鉄の塊でした...「セルの音はするのでバッテリーでは無い」と思いながらも原因の分からない我々はお得意のAAAへ電話します。30分後にやって来たレッカー車のオジサンばスバル君のボンネットを開け、バッテリーケーブルをつないでジャンプします。なんでこんなに簡単にエンジンがかかるかなぁ...? しかし一度エンジンを切ってみるとやはり自力ではかからない。う〜ん。とりあえず気を取り直して出発です。

平日のマンハッタンの早朝と言うのはラッシュアワーにぶつかりかなり危険なのですが、休みの日はそれほどでもありません。ミッドタウンでNYC在住の友人Mさんと待ち合わせをした我々は、時間通りに待っている筈のMさんを待つ事1時間、エンジンがかからなくなる事を恐れ、エンジンをかけっぱなしにしたままビルの谷間で彼女の到着を待ったのでした。

現れたMが住むのはクイーンズ区のコロンビア人街。それほど安全な場所では無いのですが、マンハッタンやその他の地区に比べ格段に家賃が安いとかで、彼女は同じ日本人のルームメイトYと一緒に暮しておりました。到着した我々が一番に向かったのはガソリンスタンド。調子の悪いスバル君をそのままにはしておけないからです。メカニックが言うにはスバル君の不調の原因はオルタネーターで、「取り替えないと走れない」との事。お金がかかるのは困りますが、背に腹は変えられないので、帰る日までに作業が終わるようにと、そのままスバル君を置いて我々はMのアパートに帰ります。

2日間の滞在でMが我々を連れて行ってくれたのは、写真美術館、エンパイア・ステート・ビルディング、チャイナ・タウン、ソーホー、イースト・ビレッジ等々。2日目はYのお誕生日でもあった為、我々はミッドタウンの日本人経営の居酒屋へ向かい、仕上げに韓国人街のカラオケへと向かったのでした。私にとってはかなり久し振りのカラオケでしたが、日本からやって来たNは一体何を思っていたのかしらん?

M、Y宅に2泊させて頂き、NYCを充分に満喫した我々2人組は3日目の朝、すっかり元気になったスバル君にに乗り込みM、Yに別れを告げ、平日のマンハッタンのイエロー・キャブの間をくぐり抜けながらリンカーン・トンネルを越えてニュージャージー州に入り、一路ピッツバーグへ。

この時は何を急いでいたのだか、スバル君を駆り立てた私達は6時間後にはピッツバーグに到着していたのでした...



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