レトロスペクト・アメリカ


Vol. 27 恋の話」 の巻


書きニクイいなぁ、これって。だって照れちゃうでしょう?! それに、あんまり面白オカシイ話にするのは難しいような気がしてしまうのですが...

恋というのは思いがけない事から始まるものです。まぁ、とにかく私に関して言えばそうですよね。高校の時の恋(トキメキ)の話は以前プロムの回でしたので、今回は専門学校・大学・就職してからの恋の話にしておきましょう。

恋と言っても私は結構奥手な方なので、あまり上手く行った事が無い。それでも専門学校に入学してから、3回恋に落ちました。 最初はSと言う黒人の男の子です。歳は同じだけど、私より1年早く入学してたので、私が入学して1年後には卒業してしまった。彼は芸術的センスがスゴク良く、見た目も勿論ファッション・センスも良かったので、まぁ言わば『殆ど理想』の人でしたね。実際に見るよりも写真映りがスゴク良い。とにかくファンキーな男で、さすが黒人、歌も良く歌っていました。彼は黒人と言ってもあまり黒人らしくなく、どちらかと言うと「ラテンの血が混じってる?」と言う見た目の人でした。クリーブランドのゲットーの出身で、色々物知りで「車の助手席の椅子にバッグを置くと、窓をぶち破って盗られるから床に置くように」等と、身の守り方も色々教えてくれた人です。残念ながらSには彼女が(しかも日本人の)居たので、奥手の私はスゴスゴと引き下がったのでした。情けない...でもモデルにはなってもらったので、スゴク綺麗な写真が残っています。

2度目はKと言う男の子で、彼も同い年。彼は白人でクリクリの髪の毛で彫りの深い、私の友人曰く『ギリシャ神話の様な人』でした。しかしギリシャ神話は顔のみで、体格は最近のジャニーズ系の様に華奢だったのでした。S君とは対象的に格好は汚い『グランジ系』だったけどお坊ちゃんな育ちの人でした。K君は私より半年前に入学した人で、先生や皆と飲みに行ったり、知り合いの写真展に一緒に行ったりと、良く行動を共にしましたが結局は何にも無いまま良いお友達になってしまった。

上の二人は、私としてはトッテモ好きだった筈なんだけど、やっぱり私の性格上、男も女も分け隔て無くお友達になってしまうので、お友達以上にはならないんだろうなぁと思ってしまいます。それともこれも高校生の時のように只のトキメキだったのかもしれないし。

3人めはAです。ここ数回すでに登場していますが、彼とは最初は只のお友達だったんですよね。どうも私は自分から好きになった人とはあまり上手く行かないらしいのです。Aとは実際4年間も付き合ってしまったんですけどね。 Aは私より半年後に入学し、歳も私より1歳半下です。私はケージで働いていたので向こうは私の事を当然知っているでしょうし、まぁ多分ラフティングの頃から仲良しグループの友達にはなってたんですけどね。その頃は私はまだ上記のKが好きだったので、Aには見向きもしてなかった訳ですが(笑)。

きっかけは私がスピード違反と信号無視(これはどう考えても婦人警官の言いがかりだっ)でチケットを切られてしまって、免停になるかならないかの時期に車を運転出来なかったので学校の帰りに彼に家まで送ってもらった時の事です。とにかく一人で住んでるから、友達がアパートに来たりすると嬉しくて、男女問わず御飯を作ってご馳走するのが好きだった私。当然Aにもお礼のつもりで御飯を作ってあげます。そして、それが勘違いされたのか、最初からそのつもりだったのか、帰り際に私は彼に迫られてしまったのです。「迫る」と言っても、「押し倒された」訳ではありません、決して(笑)。 そんなこんなで、何だか良く分からないままに付き合う事になってしまい、その時まだKに未練のあった私は「うぅ〜ん、でもなぁ...」等と思いながら、気の進まないまま付き合い出したのですが、気が付いたらAは私のアパートに殆ど住んでいる状態になっており、さらに気が付いたら4年も付き合ってしまってたんですよね。

Aの母Dと言うのが、普通じゃナイ人で、付き合って半年経つ頃には私は既に娘のように扱われておりました。Dとその親友のSは中学生の時からの同級生で、2人共その頃から精神年齢の発達してない人々です。(笑)  自分の恋人の親ってどうも付き合いにくい所があるけど、彼女達はA無しでも遊べちゃう付き合いをさせてもらって、まぁ珍しい体験をしましたよね。D達は又後程登場する筈です。

Aとは色々な場所に行きました。アメリカ国内の旅行や夜遊び、キャンプは勿論、日本に一緒に里帰りをした事もあります。4年間の半分は遠距離恋愛だったので、色々揉め事も多発しました。それまで奥手だった私は、短期間で一気に色んな恋愛に関する体験をさせてもらった結果となったのです。 やっと二十歳になる頃からの4年間なんて言うのは価値観もドンドン変わって行く時期なので、ケンカもしたし、始めの頃には合っていた歯車の大きさが変わったように合わなくなっていったのですが、この期間にそれまでの20年間知らなかった色々な事、例えば「コイツとなら一緒に年をとって死んでも良い」と思える位人を大切に感じる気持ち、愛される事、嫉妬、憤り、我慢、裏切り、「恋しくて恋しくて、逢いたくて逢いたくて」と言う気持ち、等、それまで自分の中にそれがある事すら知らなかった感情や、初めて人から受ける扱いなど、色々な事を短期間(付き合ってみると長そうだけど、人生の中ではトッテモ短い期間デスよね)で学んだ気がします。

最後は嫌な別れ方をしてしまったけど、Aとは楽しかった思い出も沢山あるので、もうチョット傷が完全に癒えたら「ありがとう」って言えるかな...なんか、今回はしんみりとカッコ良すぎるぜ、フッ...



卒業旅行 其の二、南国のフロリダレトロスペクト・アメリカ トップ就職活動