以前にも書いたように、AIP紹介のアレゲニーセンターのアパートは異常に高い。と言う訳で私のアパート探しが始まります。アメリカのアパートと言うのは日本のように礼金と言うのはありません。(最近は日本も礼金は減ってるけどね。)でも保証金は普通はあるんだな。あと、身元保証人。6ヶ月とか1年とか、リース契約の期間が決まっているので、その本人が支払いが出来ない時は保証人が犠牲になってしまうのだ...
でも、私は保証金やリースのあるアパートに住んだ事はありません。とりあえず、2つ目のすみかには先住者が居たからです。 アレゲニーセンターは、学校へ歩いて通えると言うのがウリだった訳ですが、所在地はノースサイドと言う、ピッツバーグでもかなり危ない地区に隣接しているのです。スーパーマーケットも結構汚く、私は人種差別主義者ではありませんが黒人人口が多い地域で、一人で夕方に買い物に行くには少し勇気が要ったものでした。余り悪口ばかり書くのも感心出来ませんが、この地域はストリップ小屋が立ち並び、警察も常に街を巡回し、売春婦も立ち並ぶと言う場所柄だったのです。 そこで学校のハウジング・オフィスに相談。自分ではまだアパート探しが不安でしたから。その頃丁度ルームメイトを探していたドーンと言う女の子が居ました。彼女は余り女の子らしくない(と言うと失礼かもしれないけど)子でした。学校で対面して日付を決め、数日後、サウスサイドにある彼女のアパートに、私のルームメイト#1のMissyと共にバスに乗り込み向かいました。これがまた綺麗な事!! 一軒家を改造して2世帯住めるようにしてあるんですね。 部屋に一目惚れをして、数日後にはOKを出した私。1学期が終わると共に引越しです。この時点では私はまだ車を所有していないので、空港の近くに住む、母Sの姉Tとその旦那のCに手伝ってもらったのでした。さすがまだ滞在3ヶ月。それほどの荷物も蓄積されておらず、彼等のバンに一杯詰めただけで私の引越しは終了したのでした。 サウスサイドと言うのは、其の名の通り、ピッツバーグのダウンタウンからモノンガヘラ河を挟んで南側に位置する地区で、私のアパートは俗に「サウスサイド・ストリップ」と呼ばれるバーやコーヒー・ショップが立ち並ぶにぎやかな通りから一本入った所にある、ピッツバーグのちょっとファンクな若者(=大学生/専門学校生)にとって「住みたい地区ベスト3」に入るような地域でした。確かに市バス等、交通の便も良く、私は自転車で通学する事も歩いて通学する事も可能であり、スーパーマーケットも綺麗で近いと言う、車の無い人間にとっては天国のような立地条件だったのでした。 ちなみに、自転車で学校に行くと10分程で着きます。車に引かれそうになる事が多々あるので、メッセンジャー達がヘルメットを被っている理由がよぉ〜く分かりました。で、自転車は盗られてしまうと困るので、近くのパーキングへ25¢払ってとめる(笑)。しかし、パーキングの人と顔見知りになると、時にはタダでとめさせてくれたものでした。歩くと大体25分位かかってましたね。でもこの程度の距離をバスに乗るのは嫌だった...と言うのは、ピッツバーグのバスはバス・パスを買うとゾーン内ならば何処へ行くのも乗り放題。しかし、そうなると近くの人は損よね。そんな訳で、健康的(危険的)通学をしていたワタシでした。 しかぁ〜し。この素敵なアパートに私が住むのは僅か4ヶ月半と言う短い期間でした。理由はルームメイトのドーンとの折り合いです。最初の1ヶ月程はとっても仲良く過ごしていたんですよ。ま、珍しい物への好奇心と、お互いへの遠慮から来る気配りのおかげで。しかし、暫く一緒に住んで見ると、相手の嫌ぁ〜な所が見えて来るんですね。それはキッチンを綺麗にしておかなかったりだとか、バスルームの使用時間が長すぎるだとか、色々です。 でも私が本当にキレた理由はそんな事じゃ無いんですね。この小柄なドーンと言う女の子。歩き方がスゴイ。夜だろうが昼だろうが、あの小さな体でドカドカドシドシ、まるでゾウの様に歩くんですね。そしてドアを『バタ〜ン!!』と強烈な勢いで閉める。更にスゴイのはエレキギター。「ラジオのDJになりたくてミュージック・ビデオ科に通ってて、じゃぁギター弾いてもおかしくないだろう」とは思いました。でもさぁ。夜に近所から苦情が来る位大きな音(自分ではドアのノックの音が聞こえずに、私が対応をしたのである)で弾く事はないんじゃないかなぁ。住宅街で。そして極めつけは叫び声....叫ぶんですよ。夜中とか。「きゃー」とか「ぎゃー」とかではなく、「ホゥ!!!」って感じの。ビックリですよ、こちらは。シャワー浴びてても、部屋で宿題やってても叫び声が聞こえて来るって。これが決め手でしたね。心に決めました。「ひっこしてやる....」と。 そして、その決心を胸に、私はその頃一番相談しやすそうであったフランと言う先生に相談を持ち掛けるのでした。 |