Vol.3で学校生活について少しふれましたが、今回は私がアメリカの高校で受けた、『ヘンな授業』の数々の話をしたいと思います。
ヘンな授業と言うと、ちょっと聞こえが悪いですね。では、「日本では余りやらないであろう授業」とでもしておきましょうか。普通の授業も沢山受けましたよ。英語に数学などなど。でも、交換留学生と言う事で、結構好き勝手なクラスも取れたんですね。では始めてみましょう。 エコロジー: 別に、環境保護の勉強ではありません。日本では「エコロジー=環境保護」と思われている所があるけど。このクラスは、かなり大学のクラスっぽいものでしたね。学校の周りの生態系を観察して、最終目的は『ユートピア建設』と言う、かなり画期的な物でした。新学期早々外へ出て、花や樹の葉を採集してそれらの名前を調べた上で押し花(押し葉?)にします。それから、学校の裏の池の水を汲んで来て、顕微鏡で観察し、それらをスケッチした上でそれもまた名前を調べ記録します。後は水質検査や地質検査などなど色々な調査を行い、それをグラフやレポートにして、最終的には決められた地形の中でダムや発電所、住宅街や繁華街の配置設計をしていくのです。ロールプレイング・ゲームみたいで面白いでしょ? 最後は100ページにも及ぶレポートを提出して終わりです。色々あるクラスは殆ど1セメスター(1年は2学期に別れているのだ)で終わるのだけど、これは1年を通してやっとまとまるクラスと言う、ビッグ・プロジェクトなのでした。 GYM: こりゃ、殆ど遊びでしたね。バトミントンやバレーボール、タッチ・フットボール等々、別に基本が何とかとか、ルールが何とかではなく、皆でゲームして楽しんでるような感じでした。これで単位がもらえるのも笑える。 オーケストラ: 以前にも書きましたが、このオーケストラのヘボいこと...皆とっても下手でした(笑)。コンサート用にバッハのカノンをやったのですが、これは本当ならバイオリン・パートがちょっとだけ早い。でも、ヘボ・オーケストラの団員ではこの早さに付いていけないので、私の担当していたヴィオラはとぉ〜ってもゆっくりで、弾きながら眠ってしまいそうだったのです。そんなんでコンサートをやってしまうのがこれまたスゴイ!! フォトグラフィー(写真): このクラスでは、写真の基本(撮影、構図、現像、焼き付け)をまず教えて、その後は個人個人で好きなように行動していました。フィールドトリップで近くの大学に見学に行ったり、先生も一緒になって全然関係の無い、石膏人面型取などをしていたり、あげくはシルクスクリーンでTシャツ作りに励んだりと。本当にこれで授業なのか? リレーションシップ(人間関係): 私の取ったクラスの中で、これが一番ヘンなクラスでした。人間関係を根本から洗い直して、それを実際にやって見ると言うもの。両親や兄弟の関係からはじまり、恋人、結婚相手、子供へと続きます。このクラスの一大イベントは何と『模擬結婚式』。クラスの中からくじ引きで新郎・新婦、Best ManとMaid of Honor (仲人の様な人々)、参列者をそれぞれ決めて、参列する人は実際に貸衣装でドレスやタキシードなどを借りて来て、学校中に宣伝され講堂で公開される模擬結婚式に参加するのです。勿論、ウェディングケーキやクッキー、料理にミント、お花なども本当に行う結婚式さながらに準備します。私は何と、結構重要なMaid of Honorのくじを引いてしまい、ド派手なドレスを着せられて参列しました。私達の回では新郎・新婦は実際のカップルだったから良かった物の、関係無い人同士が当ったらハズカシイだろうなぁ。 ...とまぁ、ヘンな授業を体験してしまった訳です。大学へ進んだ私は更に『ヘン』なクラスを体験する訳ですが、その話はまた後程。 =番外編・ヘンな校長= 私の行っていた高校のクラスルームには1つづつスピーカーが付いていました。それは、放送を一方的に流す物ではなく、放送室(=校長室)からそれぞれの教室の様子を聞くことが出来るんですねぇ。で、当時の校長は、気に入らない生徒や先生の居るクラスの盗聴をしていた訳です。ホント、ヘンな校長です。怖いよぉ〜!! |