レトロスペクト・アメリカ


Vol. 04 高校生活の華、イベント」 の巻


アメリカの高校は、とにかくイベントが多い。生徒だけでなく先生も一緒になって楽しんでしまってるから、全校を挙げてのお祭り騒ぎです。

新学期が始まってまず最初のイベントはフットボールのホームカミングです。フットボールは秋のスポーツなので、新学期が始まるや否や対外試合を始めるのですが、秋の週末(金曜日)に自校で行われるゲームをホームカミングと言います。ホームカミングの日は午後の授業を1つ返上してPep Assemblyと言う選手を励ます会の様なイベントが行われます。GYMに集まった全校生徒を前に、選手が一人一人登場して自分をアピールし闘志を表すのです。この場ではホームカミング・クイーン、キングの候補も発表され、本番のゲームのハーフタイムでの発表を皆が心待ちにします。

試合は下校後、6時頃から、学校の横にあるフットボール・フィールドで始まります。1クォーター15分のゲームを4クォーター行うのがフットボールですが、その第2クォーターの後にあるのがハーフタイムです。ここではチアリーダーやブラスバンドのショー、そして皆が待ちに待った「ホームカミング・クイーン」の発表があります。ゲームが終わると、皆学校まで歩き、ボンファイヤーを囲んでマシュマロ投げ(道行く車にも投げたりします)等を楽しんだ後、カフェテリアに開設された臨時のダンスホールで踊り狂います。高校のイベントでDJを呼ぶのだから、大したものです。まぁ、日本に比べればDJ人口(音楽をかけるだけでもDJです。)も遥かに多いですから。

アメリカの高校で「ホームカミング・クイーン」になると言う事は、生徒会長になるよりも名誉な事の様です。クイーンになる条件は、「カワイイ」「スタイルが良い」等の要素の他に、勉強、他の生徒からの支持、ボランティア活動なども影響してくるようです。私の高校では、Pep Assemblyの際に3人ノミネートされ、ハーフタイムで最終的なクイーンが選ばれる方式を取っていました。

全体的に見ると、スポーツイベント毎に全校を挙げて応援するイベントが多いようです。しかし、やはりメジャーなスポーツで無い限り、そのようなイベントは行ってもらえず、フットボールとバスケットボール以外のスポーツチームの選手達は、結構地道に試合に臨んでいました。

余談ですが、アメリカの高校スポーツチームのすごい所は、(私の高校はその地域では一番大きな高校で、結構どのスポーツでも強かったのですが)それがどんなに弱小チームであろうとも、観客から入場料を取ると言う所です。それらのお金はチームのユニフォーム、遠征費、GYMの使用料等に回されます。

その他のイベントは、全校生徒が自主的に行う事が多いようです。生徒会が中心となってイベントを企画し、とにかくお祭り騒ぎの好きな生徒達がそれを盛り上げる。仮装ものが多いのも特徴です。私服登校ならではの楽しみ方でしょう。"アメリカの高校は自由"とはいえ、一応校則と言うものがあります。私の高校は、校内での帽子着用、ホットパンツ等、性的アピールの大きな服装の着用etc.は禁止されていました。そこで登場するのが「ハット・デー」です。皆が一日帽子を被って授業を受けるのです。勿論先生も。その外、「60'sデー」と言って、1960年代の格好をしてくる日等もありました。この日はやはり先生たちが大活躍でした。60年代を生きて来た人が沢山居ましたから。普段から60'sの格好をしていた女性の数学教師などは、カフェテリアで大声援(罵声?)を浴びておりました。

その他には、「交換留学生と交流する会」「新入生を迎える会」「オーケストラ発表会」「コーラス発表会」など生徒参加型のイベントも多く、学校が企画するイベントはオープンハウス位しかありませんでした。オープンハウスと言うのは、夜6時以降に学校を開放して保護者や親戚などにどんな環境で勉強しているのかを公開する為のイベントです。クラスルーム毎に担当の先生がおり、訪問者の質問に答えていきます。

高校2年生と3年生にとって、1年で一番の大イベントはやはりプロムでしょう。プロムとは5月の半ばに行われる、言ってみれば卒業正装パーティーです。しかしこの話も、もう少し後の回まで取っておきましょう。



アメリカの高校生活レトロスペクト・アメリカ トップクラブ活動