お山のお話


「 UKで 一番 高い山に 登ってみた 」 の巻


TJ の 10日間の お休みを 利用して、スコットランド旅行に 出る事に。
「 どうせ スコットランドんに 行くなら。。。」 って事で 『 UKで 一番 高い山 』 である Ben Nevis に 登る事になりました。

今回の 旅行は、この登山が メインなので、Ben Nevis の 麓にある Glen Nevis と言う キャンプ場に 3泊する事に。 ここは、キャラバン ( 所謂 キャンピング ・ カー ) でも 利用する事が出来る キャンプ場です。

1泊の 料金が 「 車と 小さいテント + 大人 2人 」 で £10.40。
イギリスの 宿泊施設の 平均価格を考えると、物凄く 安いのである (爆)。

でも、ここに 泊る人は 必ずしも 「 登山者 」 と 言うわけでは 無いので、結構 騒がしかったりする (汗)。 我々が 泊った時も、Ben Nevis に 登る 前日に、夜中まで ラジオや 話し声で ガン ガン やられてしまった。。。 日が 長いので、遅くまで 起きていたい 気分は 分らないでも無いけどね。


さて、当日ですが。。。


0400
起床 ・ 朝食。
本当は、3時 起床で 4時 出発だったのだけど、夜が 騒がしくて 寝付けなかったので 順延する事に。

山に登る 朝は、大抵 オートミール ( ポリッジ ) を 食べます。 腹持ちが 良いので。
プレーンなのは 美味しくないので、ワタシは リンゴ味のを。

でもって、朝から 沢山食べる事が 出来ない ワタシは、1袋だけ。
TJ は、元気に 2袋 食べます。


0500
準備を 整えて、キャンプ場を 出発。登山口から

このキャンプ場からは、歩いて 5分で 登山口に行けるのです。
ここに 泊らなくても、登山口の 真前には ユース ・ ホステル が 有るし、他所に 泊っていても もう少し 離れた場所に ヴィジター ・ センターが 有るので、そこに 車を駐めて 歩き出す事も 可能。

ヴィジター ・ センターからの 登山道と、この 登山口からの 登山道が 途中で 合流するのですが、そこへ 辿り着くまでは 延々の 石段。。。 運動不足な ワタシには ツライのだなーーー。 

最初から 思い切り 『 有酸素運動 』 をしてる 気分 (笑)。 
手袋をして フリースやら 色々 着込んでるので 更に ポカ ポカ して来たけど、外気温は 4℃です。

実は、今回 山道具の 準備は 全て TJ に 任せたのですが。。。 

手袋 入ってないじゃんーーー。 
帽子も 入ってないじゃんーーー。

日本の 夏山登山だと 雨具ばっかり 気にするのですけど、今回は 遠くから 山頂が見えた時に 雪が積っていたので 「 ね、手袋 入れた?」 っと 訊いてみて 発覚 (汗)。 天候が ずっと 良ければ 全く問題ないのですが、もし途中で 吹雪にでもなったら、こんな 低山でも 凍傷にはなります。


Ben Nevis は 標高 4406 フィート ( 1344 m )。
『 UKで 一番 高い山 』 とは言え、日本の 富士山や アルプスから 比べると 屁でもない 高さです。

でもって、かなり 観光化されているので、富士山 同様 「 天気が 良ければ 誰でも 登れる 」 山で 有るのは 確かです。

だけど。。。
標高は 高くなくても、緯度は高い。 しかも、ここの天気は 変わりやすい。

なので、帽子は 他のものを 代用出来るとしても、吹雪の中で 靴下を 手にはめるだけで どれだけ持つか 不安になった ワタシは TJ を 促して 半袖で ポカ ポカ の Fort William の町で 手袋を 探す事に。 

売ってないんだな、夏には(汗)。

何軒か 回って、やっと 「 大丈夫かも 」 って言う 手袋を 発見。
教訓 : 荷造りは、ちゃんと しなきゃダメですな。

ちなみに、標高は 大した事 無いのですが、登山口からの 高度差は 『 猿倉 ⇔ 白馬頂上間 』 よりも 大きいのです。 登山口の 標高が 18 m とかなんで (笑)。


ワタシの 腕時計には、高度計/気圧計が 付いています。
TJ も、去年の クリスマスに、ワタシの 時計よりも 数倍 高価なスグレモノの 時計を 買ってもらいました。

その名も SUNTO!

今回、その 時計を 買ってもらってから 初の 登山なので、TJ は 大ハリキリ。
登山口から シッカリ 高度計を セットして、50m 上る度に 「 あと ○○ m だよ!」 と 教えてくれます。

これって。。。ウレシイんだか、悲しいんだか。
頂上に 近ければ 「 あ、あと ○○ m だけだ 」 って ポジティブにも なれますが、頂上が 程遠い場合は 「 う゛、あと ○○ m 有る 」 って 訳ですな (涙)。


先にも 書きましたが、ここは カナリ 観光化されている山なので、山道整備が キチンとされています。 
これは、自然には ヤサシイのですが、膝には ヤサシくない (-_- ) ; 

今回、さらに いつも使っている ウォーキング ・ スティック ( スキー ・ ストック の 様なもの。 これを使うと 四足で 歩いてる感じで、下半身への 負担が 減るのです。) を 家に 置き忘れてきた ワタシ。。。 もう、ダメ ダメです。

登ってる 最中から、股関節が 痛み出した。
ま、運動不足も 有るのでしょうが、普段から ウォーキング ・ スティック に 頼っちゃってるので、いつもよりも 下半身にかかる 負担が 大きいのでしょうな。

でも、そんな事を 言っていては 頂上へは 辿り着けないので、黙々と 歩く。

途中、スゴク 綺麗な 滝やら、池やらを 越えて ガレ場に 到着。
こうやって、植物が なくなってくると 「 あ、頂上に 近付いた 」 と言う 気がするのも 変だけど、事実。

雪渓を行く TJこの辺りから、所々に 残雪が 見えて来て、途中からは 雪の上を 歩かないと イケナイ箇所も 出て来る。 サングラス 持って来て よかったーーー。

早朝に 出発したので、まだ太陽が 山の 反対側から 顔を出していない分、眩しくも 暑くも 無いので良いのですが、それでも 雪から反射する光は カナリの 強さ。 前日以前に つけられた 足跡を 裸眼で見つめていると 目が チカ チカ して来る。

この辺まで来て、ワタシの 股関節が 更に 痛み出す。
「 ちょっと歩いては 止まって 」 って言うのを 繰り返す ワタシに、TJ が 何気なく 「 がんばれっっ 」 と 声を掛ける。 ( ← 日本語で )

これが、この時は カナリ 「 かちーーーんっっ 」 と 来たのである。

ワタシが 運動不足なのは、ワタシの 自業自得だ。
でも、ワタシが 休憩をするのは 「 疲れて 息切れがしているから 」 ではなく 「 関節が 痛いから 」 であって、それを 無理して押すと 「 帰りが 大変になる 」 と 思っての事である。

なにも 「 シンドイから 休憩ーーーっっ!」 って 言ってる訳ではなくて、かなり 頑張ってるつもりなのだ、自分では。

そこに 「 がんばれっっ 」 と 言われた。
これは " Try harder ! ! " と 言われたように感じて、頭に来たのである。

しかも、これが 我々よりも 1時間後に 出発した人達に 抜かれた後だったので、余計に 堪えた(涙)。
( ↑ 競争してる 訳じゃ ないんだけど、1時間の ギャップを 抜かれるのは、かなり 悔しいかも )

思わず 「 頑張ってるのにーーー 」 と 涙が 出てしまったのだけど、あと ほんの少しの所まで 来ているので 黙々と 歩いた。


頂上付近のコーニス頂上付近は 完全に 雪で覆われていました。
Ben Nevis の 頂上は、U字型になっていて、 ノーマル ・ ルートの 登山道から 登ってくると 丁度 「 U 」 の 左側から アプローチする形になります。 そうすると、直進してしまうと 崖から まっ逆さまに 落ちる事になるのですな。

これが、雪が積ってると 右側の 「 U 」 が 繋がっている様に 見えるので、更に 危険。

確かに、登山者が 沢山で 足跡が付くのは 分っているけど、ホワイトアウトの 場合なんかは 地図を読めない人、コンパスを 持っていない人は お手上げなわけですな。

毎年、何人もの人が 事故に 合っているのに ( 死亡事故 含む )、方向指示の 看板さえ 出ていないってのは どうかと思いました。 ベテラン登山者からすれば 「 看板 立てるなんて、邪道だ 」 って 感じでしょうが、富士山と 同じく サンダルや スニーカーを 履いて、ジーンズや Tシャツだけで スーパーの 袋を抱えて 登ってくる 『 初心者 』 が 山程 訪れるわけですから。


0930
やっと 登頂。

ケルンで記念撮影ひーこら 言いながら ケルン に 登り、記念撮影。
雲が 出てきて 寒くなって来たので、山頂の 建物 ( 元々は 観測所 だったらしい ) の 壁に隠れて リュックに詰めてきた ダウンジャケットなどを 着込み、ストーブを出して 食事と お茶を 作る。

この間、最初の 登頂者は 既に 下山し、次に 登ってきた 2人は ワタシ達 同様に 食事を作り始める。

食事の 最中、なぜか TJ は 不動産屋さん からの 電話を受けて 「 あ、電波が 悪いっっ 」 なんて 会話をしてましたが。。。 絶対に Ben Nevis の 頂上に 居るなんて 信じてもらってないだろうなぁ (笑)。


1030
食事も終えて、寒くなってきたので 下山開始。

歩き始めた所で、先に書いた 「 U 」 に 直進する オジサンと 犬を 発見 (汗)。

あちゃーーーっっ
TJ は 「 右折してーーー。 右折してーーー。」 と 呪文を 唱えてるし。。。

でも、オジサンは 他の人の 足跡が 右折してるのに 気付いたようで、ちゃんと 正しい方向に 向かってくれた。 良かったよ、目の前で 人間が 落ちるのを 見ないで良くて (冷汗)。

このオジサン、ボーダー ・ コリー を連れた 70歳の 方でして、本当に良く オシャベリになる (笑)。
頂上から 3分の1 位の ところまで 一緒に降りたのだけど、延々と 話をしていた 彼。

でもって スゴイのは、彼の 娘さんは ワタシ達が 「 これから 住む事になる 予定 」 の 街に 住んでるって事。 偶然ってのは 有るのねーーー。

この オジサンに お別れを言った 辺りから、段々 登山者が 増えてきた。 全部で 100人は 見たな。
殆どは 先に述べた 「 普段着の 登山者 」 である。

途中の滝である グループなど、大人 3人 + 子供 3人で 登っているのに、飲料水を 全部で 1.5 リットル しか 持って居なかった。 で、下山してくる ワタシ達に 「 水 余ってたら 分けてくれない?」 と言う。 ワタシ達も、帰りは それ程 必要でもなかったので 残りの 半分位を 分けてあげたけど 「 誰も 居なかったら どうしよう?」 と言う 考え方は しないのでしょうね。 「 雪を 食べれば良いや 」 とか 思ってるのかも知れない。 雪なんか、水分が 必要なだけ 食べたら 体の中から低体温症になって 死んじゃうのに。。。


帰り道は 登りの時の 股関節の痛みが 無くなった代わりに、石段を下りる ショックで が 痛くなる破目に (涙)。 やはり、運動不足は 良くないのだ。

結局、途中で分かれた コリーの オジサンにも 最後には また 追いつかれ、登山口まで 一緒に 帰る。


1430
キャンプ場 着。
長かったよーーー。

食事を作る 気力が 無かったので、Fort William まで 車で出て マクドナルド に 行く。
なんか、山を下りると ジャンク ・ フードが 食べたくなる ワタシって。。。(汗)。


今回は、夏山で 思っていたよりも 天候に恵まれたので 最高に 楽な 登山でした ( ← 体が 痛いのを 除けば。。。)。

TJ と 2人で 「 次回は 雪のある 時期に 来ようね!」 などと、既に 次回の 予定を 立てているのだけど。。。
それよりも前に、雪山に行ける 装備を そろえないとね。



お山のお話 トップ